印刷の面白話│明朝体の活字はヨーロッパで生まれました

ヘッダーアイコン

1枚のご注文でも 激安価格
0120-970-111

HOME > 印刷にまつわる面白話・豆知識 > 明朝体の活字はヨーロッパで生まれました

■今回の印刷面白話は…明朝体の活字はヨーロッパで生まれました

私たちが最も目にする書体は明朝体、新聞や雑誌の本文でおなじみです。しかし、意外と知られていないのはその由来です。ここでは中国で明朝体が生まれるまでの過程を紹介します。あわせて、ヨーロッパと明朝体の意外な関係も見ていきましょう。

明朝体の元になった中国・宋時代の書体

横線よりも縦線が太いこと
横線の終わりに装飾があること
はらいの線が細くなること

明朝体の特徴を以上3つとすると、これらを備えた書体は中国・宋時代に登場しています。

唐時代の印刷物で使われていたのは楷書体

木版印刷の起源ははっきりしていませんが、中国では唐(618年~907年)時代におこなわれていたのは確かです。なぜなら、現存する最古の制作年代入り印刷物には、唐時代のものが入っているから。そのころの書体は、楷書体に近いものが用いられていました。木版印刷とは、木の板に文字や図柄を彫って版を作るものです。小学校の図画工作の時間にやった、版画をイメージしてもらえばよいでしょう。

明朝体に似た書体の登場

中国で木版印刷が盛んになったのは宋時代(960年~1279年)です。仏教や儒教の経典、詩集などが印刷されていましたが、楷書体を真似て版木を彫るのは手間がかかったのでしょう。次第に書体は細くなっていったと考えられています。そして登場したのが、現在の明朝体の特徴を備えた書体です。冒頭の写真は当時、宋の都があった臨安の書店兼印刷所「陳宅書籍鋪」が発行した「南宋羣賢小集」の一部です。少し斜めになっていますが、すでに挙げた明朝体の3つの特徴を備えていることがわかるでしょう。

清の時代には明朝体が完成

宋のころに使われ始めた書体は、よほど評判が良かったのでしょう。時代が下るにつれて、より読みやすく、より彫りやすくなりながら、広く使われていきました。清の時代・1716年に完成した「康熙(こうき)字典」は、現在の漢字辞典のもとになったことで知られています。用いられているのはもちろん明朝体、このころになると現在のものと変わらない書体が用いられていたのです。

普及しなかった明朝体の活字

明朝体が普及する一方で、中国で進まなかったのは明朝体の活字化です。先ほどの「康熙字典」も、依然として木版で刷られていました。なぜなら中国で用いられている漢字の数は、活字にするには多すぎるから。日本で活字の普及が遅れたのも、同じ理由と考えられます。宋の時代には活字が発明されていたはずなのに、木版に取ってかわるには、まだしばらくの時間がかかってしまうのです。

ヨーロッパと明朝体の意外な関係

中国に先んじて明朝体を活字化したのは、意外なことにヨーロッパです。18世紀の終わりごろになると、2つの理由で漢字の活字が必要になりました。 中国への興味・研究のため
中国でのキリスト教布教のため
清の鎖国政策が弱まりヨーロッパの国々との交流が始まると、中国語の辞書や対訳本の発行が必要になりました。また中国でキリスト教を布教するためには、中国語で書かれたパンフレットの印刷も必要になりました。
当時のヨーロッパでは、すでに活字による活版印刷が普及していたので、漢字も活字化されたのです。
書体に明朝体が選ばれたのは、当時のヨーロッパに持ち込まれた中国の書物の多くに明朝体が使われていたためとも、ヨーロッパで一般的に使われていたローマン体の活字との相性が良かったためともいわれています。

ヨーロッパ産の明朝体活字・日本へ

ヨーロッパで作られた明朝体の活字が日本に持ち込まれたのは、1869年のことでした。持ち込んだのはウィリアム・ギャンブル、活版印刷や活字鋳造の技術を伝えた際にヨーロッパ産の明朝体活字も含まれていたのです。その後、日本の近代印刷の祖・本木昌造は、ギャンブルから学んだ技術をもとに明朝体だけでなく、日本語活字を発展させていきました。つまり、日本における明朝体の活字の祖先はヨーロッパ生まれ、日本での明朝体の誕生にはヨーロッパが深くかかわっているのです。

中国では明朝体と言っても通じない理由

明朝体の歴史や活字についてお話してきましたが、面白いことに、現在の中国で明朝体と言っても、まず伝わりません。なぜなら中国の人たちは、日本における明朝体を「宋体」と呼んでいるからです。明朝体の元となった書体が、宋の時代に用いられるようになったことは、中国では広く知られているのでしょう。

初期コスト不要なのがデジタル印刷の強みです

オフセットなど有版印刷には初期コストが高いという弱点がありますが、初期コストは発生しないのがデジタル印刷です。デジタル印刷は版の用意や用紙のセット、テスト印刷も必要ないので、当社ABポスターは少量にもかかわらず、手ごろな価格で印刷できるのです。印刷業者に見積もりをもらったけれど、1枚当たりの単価が高いと感じたなら、ぜひご利用下さい。Adobe(アドビ)社のIllustrator(イラストレータ)でデータを制作する場合は、文字のアウトライン化はお忘れなく。

16時までのご注文・データ確認完了で当日発送

0120-970-111
(営業時間:平日10:00 - 19:00)

決済アイコン クレジットカード決済/代金引換/銀行振込/後払い決済/コンビニ払い/paid(ペイド)/PayPay /Paidy
※公費払い・月末締め払いは当社の審査が必要になります。