■今回の印刷面白話は…コピー用紙のA4やB5は●●を表しています
用紙サイズのA4やB5は、大判の紙を折った回数を表しています。A0、B0と呼ばれる大判の紙があり、それぞれの長辺を1回折るとA1、B1になり、A1、B1の長辺を1回折るとA2、B2になります。つまりA0を4回折るとA4になり、B0を5回折るとB5になるのです。
用紙サイズのA4やB5は、大判の紙を折った回数を表しています。A0、B0と呼ばれる大判の紙があり、それぞれの長辺を1回折るとA1、B1になり、A1、B1の長辺を1回折るとA2、B2になります。つまりA0を4回折るとA4になり、B0を5回折るとB5になるのです。
駅貼りのポスターで見かけるB1は1,030×728mmの大きさですが、印刷にはさらに大きな四六判と呼ばれる用紙が必要です。A1サイズの印刷にもA1よりも大きな紙が必要になり、こちらは菊判と呼ばれます。
下の表はA判規格とB判規格のサイズ一覧表ですが、ながめていると並んでいる数字の規則性に気が付きます。短辺の長さが、次のサイズでは長辺の長さになっていること
長辺のほぼ半分の長さが、次のサイズでは短辺の長さになっていること
A3サイズの紙の長辺を1度折るとA4になり、B4サイズの長辺を1度折るとB5になることがわかるでしょう。A4やB5の紙が必要ならそれぞれをA0やB0から切り出せば、捨てる箇所なく紙を有効に活用できるのです。
■A0サイズ 1189×841mm / ■B0サイズ 1456×1030mm
■A1サイズ 841×594mm / ■B1サイズ 1030×728mm
■A2サイズ 594×420mm / ■B2サイズ 728×515mm
■A3サイズ 420×297mm / ■B3サイズ 515×364mm
■A4サイズ 297×210mm / ■B4サイズ 364×257mm
■A5サイズ 210×148mm / ■B5サイズ 257×182mm
紙のサイズ一覧表をくわしく見ていくと、数字にものすごく強い人は次のことに気づくかもしれません。長辺と短辺の比率が、ほぼ√2:1になっていること たとえばA4なら長辺と短辺は297mmと210mmですが、これは長辺:短辺 = 297:210と表せます。比の式は両端を同じ数で割っても結果は変わらないので、それぞれを210で割ると297:210 = 1.4142…:1と表せますが、左辺は中学生のころに習った「ヒトヨヒトヨニ…」になっており、ほぼ√2であることがわかります。 つまりA4の長辺:短辺 = √2:1と表せますが、この関係は一覧表にあるすべての長辺と短辺でも成り立っているのです。 このことからA判やB判の規格は、すべて相似形になっていることがわかります。 たとえばB5からA4に拡大コピーする場合、114%くらいに設定すれば図や文字の縦横比も変わらず上手くいきますが、これはA判・B判各サイズがそれぞれ相似形だからです。A判やB判は、非常によくできた規格だといえます。
A判のもととなる、長辺:短辺 = √2:1という紙の規格を提案したのは、ドイツ人のヴィルヘルム・オストヴァルト(オズワルド)です。19世紀から20世紀にかけて活躍した彼は、ノーベル賞を取るほどの偉大な科学者でした。A判規格は1922年にドイツの工業規格として採用されたのですが、よほど使い勝手が良かったのでしょう。1934年には国際規格となり、世界中で使われるようになりました。A0の面積がほぼ1平方mになるのも、面白いところです。
一方の紙の規格であるB判は、日本で考えられました。明治になり洋紙が国内でも製造されるようになりましたが、当初はサイズの規格が定められておらず、メーカーごとにまちまちのサイズで製造していました。ところがサイズがまちまちだと、印刷や輸送、保管などに支障が出ます。そこでドイツ規格であるA判とあわせて採用されたのが、日本独自の規格であるB判です。B判の規格で参考にされたのが、江戸幕府の公用紙として使われていた美濃判です。美濃判とは現在の岐阜県で作られていた和紙のことで、約394×273 mmでした。そこで美濃判を一回り小さくするとともに、長辺:短辺 = √2:1にして、現在のB4サイズ(364×257mm)が決められたのです。つまりB判は日本の独自サイズ、国外でB判の話をしても通じないことがほとんどなのでご注意ください。
ちなみに幕府以外で用いられていた和紙は杉原紙と呼ばれ、サイズは約483×333mmでした。この紙の長辺を2分の1にしたサイズの和紙を、今でも毛筆習字では用い続けています。杉原紙を半分にしたサイズだから「半紙」なのですね。
A判やB判はいずれも長辺:短辺 = √2:1であり、長辺を半分にすると面積が半分の相似形になることをお話してきました。しかし√2:1が特別な比率であることは、A判やB判が登場するずいぶん前から知られていました。たとえば法隆寺・金堂の1階と2階の屋根の幅の比や、同じく五重塔の最下層と最上層の屋根の幅の比は√2:1になっています。√2:1の比率に特別なものを感じるのは、人間の本能なのかもしれません。
ここまで読んで「A4やB5サイズは知ってるけれど、A0やB0なんて聞いたことがない」という方もいらっしゃるでしょう。A0やB0など大型の用紙が使われるのは、主にポスターです。たとえばB0やB1は、駅貼りポスターのスタンダードとなっています。ご注文はABポスターまで!
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