印刷の面白話│人気再燃!!日本での活版印刷の歴史と魅力を解説

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■今回の印刷面白話は…人気再燃!!日本での活版印刷の歴史と魅力を解説

「活字離れ」「活字中毒」といった言い回しはよく使われますが、すっかり減ってしまったのが活字・活版で印刷したものを目にする機会です。一方で起こっているのが、活字や活版印刷の再評価です。見慣れない世代には、独特の味わいが新鮮なのでしょう。今回は日本での活版印刷の歴史や、活版印刷の魅力について解説します。

そもそも活版印刷とは

活版印刷とは、活字を組み合わせた版による印刷手法です。活字とは一文字ずつ彫られたハンコのようなもの。それらを原稿通りに組み合わせて、インキを塗り印刷していきます。とはいえ漢字・ひらがな・カタカナと数が多いのが日本の活字です。ひとつの書体・サイズにつき2,500もある活字を組み合わせて版を作るのは、大変な作業だったとか。コンピュータ上で版組みが完了する現在と、大きな差を感じます。

日本での活版印刷の歴史

活版印刷が日本で盛んになったのは明治時代以降ですが、グーテンベルグによる発明は15世紀半ばです。日本での普及はヨーロッパとくらべて300年も遅れたのですが、明治時代まで活版印刷に関する動きがまったくなかったわけではありません。

最初に伝えたのはキリスト教宣教師

日本に最初に活版印刷を伝えたのは、イエズス会の宣教師・ヴァリニャーノです。彼は織田信長に黒人の従者・弥助を献上したことや、天正遣欧使節団の発案で知られていますが、1591年にはグーテンベルクの活版印刷機を長崎に持ち込んでいます。そこで作られた書物は「キリシタン版」と呼ばれています。布教のためのものやポルトガル語の辞書などが印刷されましたが、それ以上普及しなかったのは資金難や江戸幕府の禁教令が原因とされています。

日本独自の活版印刷の登場

キリシタン版が作成されていたころには、豊臣秀吉による朝鮮出兵・文禄の役で朝鮮半島から金属活字がもたらされたといいますが、それらに刺激されたのでしょう。日本でも活字が製造されるようになり、出版物が残っています。著名なものに後陽成天皇による「慶長勅版」、徳川家康による「伏見版」「駿河版」などがありますが、中でも美術品として高い評価を得ているのが「嵯峨本」です。嵯峨本を手がけたのは本阿弥光悦や角倉素庵ら、文化的素養や金銭的に豊かな京都の人たちで、「伊勢物語」や「方丈記」「徒然草」などが出版されています。面白いのは行書や草書の木製活字が用いられており、1文字だけでなく2~4文字がつらなったものも見られるところでしょう。

明治期以降の活版印刷

明治期の活版印刷は他のコラムでも触れている通り、1869年にウィリアム・ギャンブルによりもたらされ本木昌造により発展しましたが、忘れてはいけないのが大鳥圭介の存在です。幕末に幕府陸軍の育成・訓練にあたっていた大鳥圭介は、そこで使用するテキストを印刷・出版するにあたり、日本初の金属活字を製作しているのです。今も残る「築城典刑」「砲火新論」などでは、半分以上に大鳥活字が使われているとのことですが、残念ながら活字自体は戊辰戦争により現存していません。大鳥圭介と聞くと司馬遼太郎「燃えよ剣」での、土方歳三の引き立て役をイメージするかもしれませんが、彼には日本の印刷史に残る顔もあるのです。

活版印刷ならではの魅力とは

ここからは活字を用いた活版印刷の魅力について見ていきましょう。特に需要があるのが、名刺やショップカード、結婚式の招待状など。他の印刷手法にはない味わいが、活版印刷の魅力です。

味のある書体

築地体や秀英体など、味のある活字が使えるのが活版印刷の魅力です。活字にある書体の多くはすでにデジタル化・フォント化されていますが、活版印刷で用いられると、活字にしかない魅力が感じられます。

凹み効果

版の凸部を紙に押し付けて印刷するのが活版印刷です。圧力を上げたり、紙質を工夫したりすることで、印刷した文字に独特の凹み効果が現れます。立体感のある名刺やショップカードは、手にする方に深い印象を残すでしょう。

にじみ効果

活版印刷なら紙質を工夫することで、活字の輪郭線がぼやけるにじみ効果が得られます。デジタルにはない味わいに、ぬくもりや新鮮味を感じる方も多いようです。とはいえ凹み効果やにじみ効果は、活版印刷なら必ず得られるものではありません。凹みなどの効果を出したい場合には、印刷を依頼する工場にしっかりと伝えましょう。

目的にあった印刷手法を選びましょう

長い歴史や独特の魅力を持つ活字・活版印刷ですが、フルカラーや大判印刷は苦手です。たとえばフルカラーのポスターを活版印刷で作るのは至難の業ですが、それを得意にしているのが、私達ABポスター高品質なポスターを安価に制作しています。活版やオフセット、デジタルなど、さまざまな印刷手法がありますが、すべての面で完璧なものはありません。目的にあわせて印刷手法を選択することが大切です。

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