■今回の印刷面白話は…最大のものは約8,000平方m?!ポスターのギネス記録いろいろ


アイルランドのビール会社がギネス・ブックを出版したのは、1955年のことでした。以来さまざまな記録が掲載され、私たちの話題になるのですが、そこにはポスターに関する記録も含まれています。今回はポスターに関するギネス記録と、それにまつわる印刷のあれこれを見ていきましょう。
アイルランドのビール会社がギネス・ブックを出版したのは、1955年のことでした。以来さまざまな記録が掲載され、私たちの話題になるのですが、そこにはポスターに関する記録も含まれています。今回はポスターに関するギネス記録と、それにまつわる印刷のあれこれを見ていきましょう。
活版印刷とは、活字を組み合わせた版による印刷手法です。活字とは一文字ずつ彫られたハンコのようなもの。それらを原稿通りに組み合わせて、インキを塗り印刷していきます。とはいえ漢字・ひらがな・カタカナと数が多いのが日本の活字です。ひとつの書体・サイズにつき2,500もある活字を組み合わせて版を作るのは、大変な作業だったとか。コンピュータ上で版組みが完了する現在と、大きな差を感じます。
世界最小のポスターは、実写映画「はたらく細胞」の公開を記念したものです。大きさは縦1mm、横0.4mmというもので、肉眼では点のようにしか見えません。
制作発表会ではマスコミの皆さんを対象に、プレパラートにセットされた世界最小のポスターが顕微鏡を通じてお披露目されたとか。ギネス・ブックを発行しているギネス社からは「間違いなく世界最小であろう」というコメントが寄せられ、近日中に申請されるとのことです。
そんな話を耳にして入手したのは名刺大のカードです。「はたらく細胞」前売り券の購入特典として配布されたもので「点」のような大きさで世界最小のポスターが印刷されています。上に掲載したのは、それをルーペで拡大した写真ですが……完成度についてはノーコメントです。
日本に最初に活版印刷を伝えたのは、イエズス会の宣教師・ヴァリニャーノです。彼は織田信長に黒人の従者・弥助を献上したことや、天正遣欧使節団の発案で知られていますが、1591年にはグーテンベルクの活版印刷機を長崎に持ち込んでいます。そこで作られた書物は「キリシタン版」と呼ばれています。布教のためのものやポルトガル語の辞書などが印刷されましたが、それ以上普及しなかったのは資金難や江戸幕府の禁教令が原因とされています。
世界最小のポスターを制作したのは、日本を代表する印刷会社・凸版印刷です。技術については語られていませんでしたが、2013年に0.75mm角という極めて小さな本を制作しているので、それに近いものが使われているのでしょう。
凸版印刷によると0.75mm角の本の制作に用いたのは、証券印刷でつちかわれた超微細印刷の技術だそう。日本の紙幣にマイクロ文字を印刷するのと同様に、凸版印刷を用いたのでしょう。ちなみにオフセットで印刷できる線は最も細いもので0.1mmくらいなので、世界最小のポスターには使えないはずですが、果たしてどうでしょうか?
世界最小のポスターの印刷手法と同様に気になるのは、どのように断裁されたかです。業務用断裁機の多くは0.01mm単位でサイズ設定できますが、1 × 0.75mmの大きさで切れるかは疑問ですし、切れたとしてもその後が大変そう。くしゃみはもちろん、ため息ですら全部飛んでしまうでしょう。一枚ずつ手作業でデザインナイフを使って切り出したのでは?と、推測しています。
世界最大のポスターとしてギネス認定されているのは、最低所得保障の是非を問う国民投票を盛り上げるために、2016年にスイスで制作・公開されたものです。大きさは実に8,000平方m、重さは7トンという巨大なものでした。
ポスターに書かれているのは「もし収入が確保されたら、あなたは何をしますか?」という英文の言葉。最低所得保障により収入の心配がなくなったら、金銭だけでなく心の自由まで得られると訴えているようです。
8,000平方m・7トンという巨大さの、イメージがわかないという方もいらっしゃるでしょう。8,000平方mとは1辺が約90mの正方形に相当するもので、25mプールなら27個くらいが収まる計算になり、サッカーのピッチ(7,140平方m)より大きなものです。また7トンという重さは、アフリカゾウのオスなら1頭、メスなら2頭分の体重を上回ります。ちなみにポスターの制作にかかった費用20万ドルは、クラウドソーシングで集められました。
世界最長のポスターとしてギネス認定されているのは、2019年に世界柔道選手権・世界大会に向けて作られたものです。その全長はおよそ600m、大会を主催する全日本柔道連盟が、HPなどで募集した柔道着姿の写真を約2,000枚つないで完成させました。込められた願いは集まった写真を一本につなげることで、「その道は一本」という柔道の精神を世界に向けて発信することだとか。
完成したポスターはギネスワールドレコーズ公式認定員が、1枚ずつ数えることで「最も長いポスターの列」として、めでたく認定されました。A4くらいの大きさのポスターを並べて制作しているので高さが足らず、いささか迫力不足は否めませんが、世界最長のポスターの前で認定書を手にした全日本柔道連盟会長・山下泰裕史の表情には、満足げな笑みが浮かんでいました。
これらのギネス記録を見て思ったのは、最小は難しいものの最大や最長のポスターなら、私たち「ABポスター」が力になれるかもしれないということです。
なぜなら8,000平方mや600mは当社の大型業務用プリンターを使用すれば、決して非現実的な大きさや長さではないから。実際の制作では思いもしなかった問題が持ち上がるかもしれませんが、理屈では十分可能です。
大きな・長いポスターでギネス記録を目指している方、そして安価で美しいポスターの制作を考えている方はぜひご相談ください。
16時までのご注文・データ確認完了で当日発送
0120-970-111
(営業時間:平日10:00 - 19:00)
※公費払い・月末締め払いは当社の審査が必要になります。