印刷の面白話│まるで本物!美術館の「展示レプリカ」から考える超高精細印刷

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■今回の印刷面白話は…まるで本物!美術館の「展示レプリカ」から考える超高精細印刷

美術館で過ごすひとときは、なんともいえない素敵な時間ですね。展示されている作品には、美的好奇心を満たすために必要不可欠な印刷技術があります。

1.美術館の展示レプリカとは

美術館の美術作品は本物、偽物?

日本各地には様々な美術館があり、日々私たちの美的好奇心を満たしてくれます。
しかしお気づきのように、そこで展示される美術作品は、すべてがすべて本物ではありません。
例えば巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『モナ・リザ』は、フランス・パリにあるルーブル美術館がオリジナルを所有しています。
そのため日本の美術館で鑑賞できる『モナ・リザ』は、すべてイミテーション(模造品)ということになります。
もちろんオリジナルの美術作品を鑑賞するのが、ベストであるのは間違いありません。
ただその価値観を強く持ちすぎると、多くの人が美術作品と触れ合う機会を失うことになるでしょう。
オリジナルの美術作品をリスペクトしながらも、展示レプリカとして作製された物を愛でるマインドも、また素晴らしいことなのです。

展示レプリカの品格

美術作品には著作権があり、第三者が許可なく美術作品のレプリカを展示することはできません。また展示レプリカの品質に関しても、オリジナルと遜色ないレベルのイミテーションが美術作品として展示されています。
そのクオリティはまるで本物と見間違うレベルであり、熟練した美術鑑定士でも見分けるのが難しいケースがある程です。これはひとえに、印刷技術の向上が展示レプリカのクオリティを格段にあげたことにほかなりません。
もし仮に家庭用プリンターで展示レプリカを作製した場合、それを展示すると多くの人がすぐに粗悪なコピー品だと見抜くでしょう。それくらい私たちの視覚は厳しい視点で、美術作品の良し悪しを判断します。
この展示レプリカに隠された印刷技術とは、一体どのようなものなのでしょうか?

2.展示レプリカから考える印刷

印刷とカメラの関係

展示レプリカの印刷技術を考える前に押さえておきたいポイントが、複製で必要となるカメラの存在です。 アナログの美術作品を展示レプリカで再現するためには、高性能の画像スキャニングが必要になります。スキャニングした画像はRGBという単位で数値化されますが、実際に展示レプリカを印刷するときは違う単位で色を置き換えることになります。
そのためカメラの性能が低いと見本となる正確な色が判断できず、オリジナルのような質感の展示レプリカを作ることは不可能になります。この様にスキャンで必要になるカメラは、展示レプリカのクオリティと直結する重要なファクターなのです。
近年では高解像度CMOSセンサーや、マルチショットと呼ばれる分割スキャンにより、画素数が億を超える「超高解像度」のカメラが登場しています。それに伴い印刷技術も急速に進歩・発展しており、これからもその躍進は止まることはないでしょう。

オリジナルを粒子レベルで再現する印刷技術

近年の技術革新は美術作品を粒子のレベルで解析・複製できるほど進歩しており、印刷技術はその過程で必要不可欠な存在といえます。
多くの美術作品はアナログで作成されますが、近年の展示レプリカはデジタル処理で再構成されるケースがほとんどです。
展示レプリカの有する緻密な色彩・質感は、これから解説する様々な印刷技術をもとに作成されています。

【印刷技術① プリモアート®の10色印刷】
美術作品に展示レプリカには10色もの豊富なカラーが使用されており、オリジナルの品質を限りなく再現しています。
通常印刷に使用されるカラーは、シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・ イエロー(Yellow)・キープレート(Key plate)の4色のみです。書籍などの美しい写真なども、基本的にこの4色の配合を変えて、実物写真の色味を再現しています。
プリモアート®は色域をさらに6色増やすことで、デジタル処理ではあるものの、極めてアナログに近いリアルな色彩を表現します。 この10色の印刷技術が展示レプリカにリアルな質感を与え、見る人にオリジナルと遜色ない感動を与えています。

【印刷技術② ピエゾグラフによる質感の再現】
美術作品は様々な媒体で作成され、その質感が作品に唯一無二のバリューを与えています。
「版画」と呼ばれるカテゴリーを例に挙げると、同一デザインでもどの版下で作成するかで、美術作品の趣が180度変わることが理解できます。
例えば木版では木の持つ独特の落ち着きや温かみを美術作品で表現することができたり、シルク版などではなめらかで上品な質感を表現できるといった具合です。
このようなオリジナルの美術作品のもつ質感を再現する際に必要なのが、ピエゾグラフと呼ばれる印刷技術です。ピエゾグラフは素材となった版を高解像度のカメラで解析し、デジタルの画像として再構成します。次に超高精細なインクジェットプリンターを使い、ドット単位でデジタル画像に忠実にインクを吹き付けていきます。
この印刷技術のおかげで版の細かなニュアンスが見事に再現でき、オリジナルと見分けがつかない高品質な展示レプリカが作成できるのです。

すべてのアーティストに応える印刷技術

巨匠の美術作品を忠実に再現する印刷技術は、今後さらに進化していくことでしょう。
しかし世紀の美術作品だけでなく、身近な個人作成のイラストや版画なども、立派な美術作品であることに変わりはありません。 複製物だけでなく、オリジナル作品の作製にも、印刷技術はなくてはならない存在といえます。
あなたの世界でひとつの作品を形にする、印刷という素晴らしいツールを、もっと身近に感じてもらえると幸いです。

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