印刷にまつわる面白話・豆知識 | 印刷機は高いもので●●億円もします

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■今回の印刷面白話は…印刷機は高いもので●●億円もします

安いものなら1,000円くらいですが、高いものは10億円以上してしまうのが印刷機です。

印刷機には様々なタイプがあり価格も変わってくるからですが、高額な印刷機とは、いったいどんなものでしょうか?

ここでは高額な「オフ輪機」について深掘りしていきます。

10億円以上もする印刷機とはオフ輪機のこと

安いものでも1億円、高いものは10億円以上もするのが「オフ輪機」です。オフ輪機とは「オフセット輪転印刷機」を略したもので、オフセット印刷機の一種となります。

オフ輪機より安価なオフセット印刷機は「枚葉(まいよう)機」と呼ばれており、価格は数100~数1,000万円です。十分高額ですが、オフ輪機とくらべると手ごろに感じてしまいます。

オフ輪機と枚葉機は、主に印刷に使う用紙で分けられます。

オフ輪機に用いるのは、直径・幅が1mくらいで重さが数100kgもある巨大なロール紙ですが、枚葉機にはあらかじめカットした紙を用います。1枚、2枚と数えられる用紙を使うのでオフセット枚葉機と呼ばれるのです。

オフセット印刷機とは?

オフセット印刷機とは「版」を使う印刷(有版印刷)機の一種です。版とは印刷用のハンコのようなもので、版に塗られたインキを転写して印刷物は作られます。

有版印刷機は版の種類で、次の4つに分けられます。

有版印刷機の種類 主な用途

オフセット印刷機(オフ輪機・枚葉機) 雑誌・カタログ・チラシ・新聞など

凸版(活版)印刷機 ダンボール・封筒・シール・ラベルなど

凹版(グラビア)印刷機 包装フィルム・壁紙・紙幣・切手など

孔版(スクリーン)印刷機 布・ガラス・プラスチック・金属など

一方で版を使わない印刷(無版印刷)機もあり、たとえば家庭用のインクジェット機やオフィスにあるコピー機です。無版印刷機は有版印刷機より、少量の印刷に向いています。

高額な印刷機・オフ輪の特徴

ここからは、1~10億円以上と高額なオフ輪機の用途や印刷スピード、大きさについて、枚葉機と比較しながら見ていきます。オフ輪機が高額な理由も明らかになるでしょう。

オフ輪機の用途とは?

オフ輪機や枚葉機はともに雑誌やカタログ、チラシなどの印刷に使われますが、オフ輪機が活躍するのは、より短期間で大量の印刷物が必要な場面です。

たとえば高額なオフ輪機なら大量のチラシを印刷後すぐに納品することも可能ですが、枚葉機ではまずできません。

オフ輪機の印刷スピードは?

オフ輪機ならではの短納期を実現しているのは、枚葉機の約3倍といわれる印刷の速さですが、これは主にロール紙の採用で可能になりました。ロール紙なら枚葉機のように1枚ずつ紙を送る必要はなく、時速30km弱のスピードで印刷し続けられます。

しかし、数100kgもあるロール紙をあつかうには大掛かりな装置が、枚葉機の約3倍のスピードで印刷を続けるには耐久性や精度の高いパーツが必要です。これらはオフ輪機の価格が高くなる理由にもなっています。

多機な機能を持つオフ輪機

高額なオフ輪機ほど短納期に対応できるのは、両面印刷やインキ乾燥、後加工などの機能が搭載されているからです。

多くの枚葉機では両面の印刷や後加工のために、インキを乾燥させる時間が必要です。裏面を印刷する前や定められたサイズに切るなどの後加工の前に、それぞれ一昼夜ほど必要なのです。

しかし、高額なオフ輪機なら裏表を同時に印刷できるほか、熱風でインキを乾燥させてしまうので、後加工まで一気にできてしまいます。

オフ輪機の多機能ぶりは短納期の実現に欠かせませんが、これも価格が高くなる理由です。

オフ輪機の大きさはどれくらい?

オフ輪機は巨大です。幅5m・長さ20m・高さ10mくらいのものはざらで、まるで体育館のような工場に設置されています。オフ輪機ならではのスピードや機能性のために、これくらいの大きさが必要になるのです。

一方の枚葉機も決して小さくはありませんが、オフ輪機ほどではありません。フルカラー印刷ができるタイプなら、幅3m・長さ5m・高さ2mくらいでしょうか。

自動車や船、一戸建てなどと同様に、印刷機も大きくなるほど高額になっていくものです。

すべての印刷をオフ輪機でおこなわない理由

スピードだけに注目するとオフ輪機は完璧な印刷機に見えますが、決してそうではありません。

なぜなら、オフ輪機は印刷の段取りに手間がかかるからです。機械の調整は時間を食いますし、試し刷りに使う用紙も膨大なので、数1,000枚程度の印刷ならオフ輪機はコスト面で枚葉機にはかないません。

使える用紙のバリエーションの少なさも、オフ輪機の弱点です。たとえば枚葉機が得意な厚手の紙も、オフ輪機では無理ということもしばしばです。

印刷機は高いほど良いとは限らない

高いものは10億円以上するというオフ輪機も決して完璧ではありません。1,000円くらいから10億円以上と様々な印刷機があるのも、それだけ多種多様な印刷物のニーズがあるからです。オフ輪機どころか枚葉機も使えない小ロットのポスターには、それにふさわしい印刷機があります。

展示会のパネル作成やポスター印刷のことなら、私たち「ABポスター」に何でもお気軽にご相談ください。

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