■今回の印刷面白話は…視覚だけでなく嗅覚でも楽しむ。心が動く驚きの香り印刷
印刷物は目で見て楽しむだけじゃないんです。印刷と香りが織りなす唯一無二のコラボレーション、香り印刷のエモーショナルな関係とはどのようなものでしょうか。
印刷物は目で見て楽しむだけじゃないんです。印刷と香りが織りなす唯一無二のコラボレーション、香り印刷のエモーショナルな関係とはどのようなものでしょうか。
インクの匂いといえば、まず思いつくのは油性マジックのキャップをあけたときの、鼻先にツンとくるアルコールの匂いかもしれません。
多くのインクにはトルエン・キシレンなど、科学的に合成された物質が使用されており、人によっては不快感を感じるケースがあります。
また書店などに立ち寄ると、平積みされた書籍や雑誌コーナーなどで、特有のインクの匂いがすることがあります。
これは新品の印刷物を開くときに強く感じる、あの独特の匂いが原因で起こります。
この独特の刺激臭は人体に悪影響はありませんが、食品がもつ自然の香りとは対照的なものです。
印刷会社で利用される業務用インクには、UVインクに有機溶剤が含まれており、強いシンナー臭を感じることもあります。
このようにインクといえば、どこか科学的な香りというネガティブなイメージをもつ人も少なくないようです。
インクがもつ科学的な匂いは、印刷技術の進歩とマーケティングにより、ポジティブな香りとして生まれ変わりました。
アロマテラピーが好まれる理由のひとつには、柑橘系や檜など自然的で健康的な香りが、嗅覚を通じて気分を上げる効果があるからです。
この効果をインクと併用することで、印刷・インクにおける香りの商品展開が急速に発展しているのです。
具体的な香りのコラボレーション商品には、インク自体に香り成分を配合することで、文字を書く際に香りがでるタイプがあります。
これは書き手に文字を書くという作業を楽しくさせる効果があり、手紙では受け取り手にもインクの良い香りを共有することができます。
印刷物では「香り印刷」という新しいカテゴリーが生まれ、インクの中に香りの元になるカプセルを含ませ、印刷部分を擦ることで香りが強くなるという商品が人気を集めています。
インクとアロマという、今まで共通点のない媒体がコラボレーションすることで、それぞれのメリットがよりブラッシュアップされています。
香料インクは万年筆のインクなどで使用され、インクの中に香りの成分が含まれています。
香料インクで香りを感じられるのは、インクが乾く「揮発」という仕組みを利用しているからです。
香料インクで文字を書くと、インクが乾く時に水分と一緒に香り成分が空気中に拡散されます。
一般的な香水などの強い匂いではなく、香料インクは「やさしく香る」というイメージをもつと良いかもしれません。
インクに含まれる香り成分は永久的でなく、インク乾燥と同時に徐々に香りが弱くなるという特徴があります。
香り印刷では用紙表面に香りが閉じ込められた、マイクロカプセル入りの特殊なインクで印刷物を刷ります。
このマイクロカプセルは約2〜50ミクロンの極小サイズで、人間の視覚ではマイクロカプセルを見つけることはできません。
香り印刷による印刷物のユニークなところが、印刷面を指で擦ることで香りが広がるという点です。
印刷面を擦ると表面のマイクロカプセルが破れ、中の香り物質が空気中に拡散されるという仕組みです。
一般的に香り印刷の香料が持続する期間は、数週間程度といわれています。
これはマイクロカプセルの香料が印刷物から失われるからですが、摩擦を与えなければ約2年程度は香り成分が保存されるようです。
香り印刷は視覚と嗅覚という、人間の五感のふたつを同時に刺激します。
これは強く脳内を刺激し、通常の印刷物と比較してより記憶に残るインパクトを与えます。
香り印刷に使われる香料には、天然由来の成分やフローラルな科学物質が使用されています。
どちらも人間を心地よくさせる効果があり、わたしたちのQOL(Quality of Life)をあげる有効なツールとして活躍してくれます。
例えば憂鬱な試験勉強で香料インクを使えば、暗記作業が癒しの時間に早変わりします。
印刷物を香り印刷で作製すれば、ありふれた印刷物では不可能なオリジナリティを付与することができます。
心が動くエモーショナルな体験、これは香り印刷がもつ唯一無二のメリットといえるでしょう。
香り印刷をマーケティングに組み込めば、より効率的な集客効果が期待できます。
香りは記憶にアクセスし、思い出すという脳内プロセスに強く関連していることがわかっています。
この作用機序と香り印刷は相性抜群であり、近年では実際に広告や宣伝に香り印刷が選ばれているのです。
特に飲食関連の企業で注目されており、実際のメニューを連想させる香りをチラシやDMに付与することで、顧客獲得のマーケティングに一役買っています。
あなたがおいしいカレー屋さんを探しているときに、スパイス香る香り印刷のカレー屋さんの広告を見たらどうでしょう?
きっとその広告にのっているお店を調べたり、メニューを見たりしてしまうのではないでしょうか。
実際に足を運んでおいしいカレーを食べるなんてこともあるかもしれません。
そんな風に人と物を繋ぐ、印刷と香りの素敵な関係をお伝えしました。
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