印刷の面白話

印刷で金や銀、メタリックカラーを表現する方法は「箔押し」「ブロンジ印刷」「メタリックインキ」「近似色」の4通りです。

見る人に感じてほしいのはインパクトかリアルな質感か、予算や納期は十分かなどを検討して、最適な方法を選んでください。

インキでは得られない質感に仕上がることが、箔押しのメリットです。キラキラとした金属を貼り付けるのでプレミアム感を与えられますし、ホログラムやレインボー、エンボスなど箔のバリエーションも豊富です。

コストがかかることが、箔押しのデメリットです。たいていの印刷会社では箔押しの機械を持っていないので、通常のフルカラー印刷よりも仕上がるまでに時間もかかります。

接着剤の役割をするインキで印刷した上に、真鍮の粉を振りかけて仕上げます。たとえば表彰状の周りを囲む、金色に輝く飾り枠にブロンジ印刷が用いられています。

箔押しとくらべるとコストがかからないのが、ブロンジ印刷のメリットです。金箔を貼り付けたいけれど予算が許してくれない場合は、ブロンジ印刷を検討するのも良さそうです。

真鍮の粉を用いるので金色の表現しかできないことや、質感で箔押しに劣ることがブロンジ印刷のデメリットです。ブロンジ印刷ができる業者はあまりないので、箔押しと同様に仕上がりまでに時間がかかることもデメリットといえます。

メタリックインキとは、金属粉が配合されたインキのことです。色数が豊富にあるほか、シルバーで印刷した上にフルカラーを載せることで、多彩なメタリック調の表現ができます。メタルより輝きを抑えたパールインキによる印刷なら、上品な仕上がりになるでしょう。

前回お話しした特色と同じように扱えるのが、メタリックインキのメリットです。たいていの印刷業者なら社内でこなせるので、箔押しやブロンジ印刷ほどコストも時間もかかりません。

箔押しやブロンジ印刷ほどインパクトのある仕上がりにならないのが、メタリックインキのデメリットです。金属粉を配合しているとはいえ、金属そのものを貼り付けたり金属粉を盛ったりするわけではないのです。

またフルカラー印刷との掛け合わせで多彩な表現ができるとはいえ、経験の浅いデザイナーや印刷機のオペレータに任せるには不安が残るのも、メタリックインキのデメリットといえます。

CMYKの4色を用いて金属を表現する方法です。フルカラー印刷のインキを使うのでキラキラと輝くことはありませんが、車や宝飾品、時計などの写真の印刷では、輝いているように見えるから不思議です。

コストや納期がかからないのが、近似色で印刷するメリットです。データ通りにCMYKのインキで印刷するだけなので、デザイナーや印刷機のオペレータは特別なスキルも要求されません。

箔押しやメタリックインキなど、見る人にインパクトを与える手法を見てきましたが、他の特殊インキを使うことで印刷に付加価値を与えられます。

たとえば特定の温度で色が変化するのは「示温インキ」、お湯につけると図柄が現れるカードや髪の毛の色が変わる人形など、教材や玩具に用いられています。

また香りが出るカプセルを封じ込めているのは「芳香インキ」で、用いられている箇所を指先でこすると、花や果物などの香りが楽しめます。お店の販促グッズに用いれば、高い効果が期待できるでしょう。

身近な特殊インキといえば、鉄の粒子を含む「磁性インキ」です。印刷することで磁気検出器が反応するようになるので、チケットや商品券の偽造防止に役立ちます。情報も書き込めるので、電車の切符や駐車券にも用いられています。

当社の印刷は、水性インクと溶剤インクによるフルカラー印刷です。

箔押しなどの手間のかかる手法やメタリックなど特殊なインキはございませんが、選ぶ用紙によっては金属の質感などをより表現できます。用紙には光沢が強いものや光沢を抑えたものなど当社では様々な用紙をご用意しておりますので、ご不明な点や「こんな表現にしたい！」などありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。