■今回の印刷面白話は…封筒の内側にはなぜ模様が?中身を見えにくくする「地紋」のお話

届いた封筒を開けたとき、内側に細かな模様が広がっていたことはありませんか?外側はすっきりした白い封筒なのに、中には線や図形がびっしり。「見えない場所まで飾っているのかな」と思うかもしれませんね。実は、この模様には中の書類を外から読み取りにくくする役割があります。今回は、ふだんは目に留まりにくい、封筒の内側の印刷を覗いてみましょう。

届いた封筒を開けたとき、内側に細かな模様が広がっていたことはありませんか?外側はすっきりした白い封筒なのに、中には線や図形がびっしり。「見えない場所まで飾っているのかな」と思うかもしれませんね。実は、この模様には中の書類を外から読み取りにくくする役割があります。今回は、ふだんは目に留まりにくい、封筒の内側の印刷を覗いてみましょう。
封筒の内側に印刷された「地紋(じもん)」には、中の書類が透けたときに文字を読み取りにくくする役割があります。内側に模様を入れる方法のほか、グレー色の不透明加工などを施す製品もあります。
この記事の目次
封筒の内面に入っている細かなパターン模様は、「地紋」と呼ばれます。書類を入れる側に模様を印刷し、紙越しに見える文字を読み取りにくくするために使われています。印刷する場所は、宛名を書く外面だけではないのですね。
例えば、封筒や紙製品を製造する羽車は、請求書などを送る窓付き封筒で地紋が使われることを紹介しています。外からは封筒の形や宛名が目立ちますが、開けて初めて見える面にも、用途に合わせた加工が用意されているのです。
白い封筒に書類を入れたとき、紙越しに文字の輪郭が見えた経験はないでしょうか。地紋入りの封筒では、内側の模様を利用して、そうした文字の判読をしにくくしています。単に模様を眺めるのではなく、「中身を読ませないための印刷」と考えると、見え方が変わりますね。
キングコーポレーションも、内側への地紋印刷で内容物の透けを防ぐ封筒を紹介しています。色や絵を紙に載せる技術が、見せたい情報を伝える場面だけでなく、見せたくない内容に配慮する場面でも働いているのが面白いところです。
中身を透けにくくする工夫は、細かな模様を印刷する方法だけではありません。羽車には、白い紙の内面に薄いグレー色の「不透明加工」を施した封筒があります。不透明加工とは、ここでは内容が透けて見えにくくなるよう、紙の内面に加工を加えたものです。
外から見ると普通の白い封筒でも、開けると内側がグレーになっている。そんな姿にも理由があります。模様があるかどうかだけで加工の有無を決めるのではなく、紙の両面や商品説明を見ると、外観からはわかりにくい特徴に気付けます。
キングコーポレーションの製品資料にも、内側にグレー色のコーティングを施し、裏地紋の印刷を不要にした封筒が紹介されています。コーティングは、表面を材料の層で覆うように加工すること。地紋を印刷する方法とは、工夫の仕方が異なります。
同じ目的の製品にも、いくつかの作り方があるのですね。細かな模様が見えないからといって、透けへの対策がないとは限りません。また、模様の細かさを見比べるだけで性能の順位を決めることもできません。用途に合うかは、製品ごとの仕様で確かめたいところです。
窓付き封筒では、透明な窓から宛名などを見せられます。その一方で、ほかの面に地紋や不透明加工を使い、書類の内容を見えにくくする製品もあります。一つの封筒の中で、「見せたい部分」と「隠したい部分」が考えられているわけです。
ただし、窓からどこが見えるかは、封筒の窓の位置と、書類の配置や折り方との組み合わせで変わります。地紋があることだけで安心せず、実際に入れた状態を確認すると、封筒と書類の関係がよくわかります。印刷物は、使う形になったところまで見るのが大切なのですね。
ポスターやチラシでは、印刷された面を見てもらうことが主な役割です。封筒の内側を覗くと、印刷には情報の見え方を調整する使い方もあると気付きます。普段は表に出ない小さな模様にも、送りたいものに合わせた理由があるのです。
次に封筒を開けたら、宛名や差出人だけでなく、内側の模様や色も見てみてください。線が並んでいたり、内面全体がグレーだったり。何気ない紙の袋の中から、身近な印刷の工夫が見つかるかもしれません。
加工や機能の説明は、封筒メーカーなどの公開資料で確認しています。
執筆・発行:ABポスター / 公開日:
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